わがやで作っている自家製味噌、去年は作る量を少なくしたのに、毎年恒例の近所さんや知り合いの人にあげたら自分たちが食べる分がなくなってしまいました。(笑)
去年の12月頃に味噌をまた仕込んだので、もうすぐ6ヶ月ということであと1ヶ月ぐらいは市販の味噌でしのぐか、ということで数年ぶりに市販の味噌を買ってきてみそ汁にして食べてみたところ、塩辛い。
自家製の味噌の美味しさを再認識して味噌に興味が出ました。
健康のためや美容のために発酵食品がブームになっています。
ヨーグルト、チーズにキムチだけではなく味噌も同じく発酵食品です。
なので今回は、味噌に含まれる栄養と健康にどんな効果があるのかを記事にして紹介しようと思います。
発酵食品とは、もとはカビや細菌がついた保存食
発酵食品は冷蔵庫がない時代に食べ物を長期保存して、悪くさせないための保存食として世界中の食文化で発酵が研究、実験されて生まれてきました。
食品を腐敗させずに、長持ちさせるために塩分濃度が濃くしたり、食べても大丈夫なカビや菌を狙って発生させます。
保存性が高まるだけではなく、香りや甘みもアップすると昔の人は経験から学んでいったんでしょうね。
発酵と腐敗の違い
発酵と腐敗の違いについてですが、 人にとって有益なものを発酵と呼び、有害もう食べられなくなったものを腐敗と呼びます。
例えばこのブログで紹介している、米麹の作り方では麹菌という白カビを米につけて繁殖させています。
白カビである米麹について画像を見たい人はこちらの記事に載ってます⇒米麹作り麹カビの増やし方
麹菌は食べても大丈夫ですし、体に良い影響を及ぼしてくれます。
有害なカビとしては、炊いたご飯をそのまんま常温に放置して1ヶ月ぐらいたってから開けた時に産まれているカビや雑菌は食べると体に悪影響を及ぼしてしまうので腐敗しています。
まぁ、臭いもすごいので食べないでしょうが(笑)
発酵食品のいい所
せっかくなので発酵食品のいいところについて軽く紹介します。
酵素や菌が旨みと甘みがアップ
保存食として置いておく間に、自然の力で発酵が進みます。
その発酵のおかげで食べ物の風味が良くなったり美味しさがアップします。
例えば味噌で説明すると、先ほどでできた米麹、米のデンプンをブドウ糖に分解してくれるので味噌に砂糖を入れなくても甘みが生まれ、大豆に含まれるタンパク質を分解してアミノ酸にしてくれることで旨味を感じます。
分解されるだけでなく酵素が生む成分との相乗効果で旨みが増します。
腸活になる
発酵食品の最大の効果といえば、腸内環境を改善してくれます。
最近の言葉で言うと腸活です。
乳酸菌を含んでいる発酵食品は 善玉菌を増やして悪玉菌を減らすことで腸内環境を整えてくれてます。
その結果として便秘の改善アンチエイジング効果による美肌が期待でき、他にも体の免疫力が高まって体全体の調子が整います。
温度と湿度を気をつければ家でも作れる
発酵食品はもともと食材を長持ちさせるための知恵なので、各家庭で作られていました。
江戸時代には味噌汁は一般庶民の食べ物となり各家庭でも作られていたそうです。
当時は、煮た大豆を綺麗につぶす機械もないのでかなり大豆の粒が残っていたようです。なので、すり鉢でゴリゴリと吸ってから味噌汁に使っていたそうです。
この記事で同じことしていました⇒みそのカスをすり鉢でする
味噌の歴史
ちょっと話がそれますが、江戸時代の話が出たので、味噌の歴史について軽く紹介します。
日本だと大宝律令(701年)に『未醤』という言葉が出てきたのが最初です。これが味噌の前身です。
鎌倉時代には味噌汁が生まれ武士たちが1汁1菜の食事スタイルが広まります。
室町時代になると庶民の間にも味噌汁が浸透する。
戦国時代はご飯に味噌汁かけた『汁かけめし』が一般的になったそうです。
江戸時代には家庭で作る人も多くいたそうです。
ただ、江戸時代には伊達政宗が仙台味噌を藩内で作るために、塩噌蔵と呼ばれる大規模な味噌醸造設備を作りました。これが日本で最初の味噌を工場と言われています。
第二次世界大戦中には醸造中の温度を管理することで本来半年から1年かかる味噌作りを20日にする味噌速醸法が産まれます。
その後、日本は高度経済成長期に入ると家庭で作る味噌は激減し、食品メーカーが作った大量生産された安い味噌が買われるようになりました。
味噌の栄養
味噌の栄養について、そもそも大豆は畑の肉と言われているほどタンパク質をはじめ多くの栄養素を持っています。
それに米と塩も入り、発酵によって本来それらの食材になかった栄養素も生まれます。
人間が体内で作れない、または作る量では足りない必須アミノ酸9種類が味噌にはすべてが含まれています。栄養面でもとても優秀なのが味噌です。
味噌に含まれる栄養素を一覧にしました。
【必須アミノ酸9種】
・ロイシン
・イソロイシン
・バリン
・スレオニン(トレオニン)
・リジン(リシン)
・ヒスチジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・トリプトファン
【ビタミン】(B1・B2・B6・B12・E・K・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ピオチン)
【ミネラル】(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム、リン・鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデン)
【脂質】(一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、リノール酸)
・大豆たんぱく質
・大豆イソフラボン
・大豆レシチン
・サポニン
・メラノイジン
・食物繊維
個人的には味噌に含まれる栄養を知った時、ミネラルがこんなに多く含まれているのかと驚きました。
味噌で得られる健康への効果
先ほどの味噌の栄養が、体にどんな良い影響を及ぼしてくれるのかというのが一番気になるところだと思います。
全ての説明してるとすごく長くなるので、とりあえず味噌を食べればこんな効果があるんだというのを一覧で見てください。いくつか詳しく紹介します。
・ホルモンバランスを整える
・更年期障害の軽減
・骨粗しょう症の予防
・美肌が期待できる(アンチエイジング成分)
・シミ予防や美白効果も期待できる
・血流を改善
・コレステロール値の上昇を抑える
・高血圧や動脈硬化など生活習慣病予防
・食後の血糖値の上昇を抑えるので糖尿病の予防に効果的
・腸活でおならが臭くない(便秘改善)
・脂質の酸化を抑えて老化防止(抗酸化作用)
・ガンの予防に効果的
美肌効果が期待できる
美肌のためにキムチやヨーグルトを食べている人もいると思いますが、味噌でも効果は期待できます。
味噌として発行する時に大豆のタンパク質が分解されて上質なアミノ酸が多く生まれています。
化粧水などにもアミノ酸が含まれているように、アミノ酸は肌の水分量をあげて美肌にしてくれます。
先日、放送衛星(BS)のテレビ番組で味噌の特集をしていました。
20代から30代の女性14人に、味噌汁を毎日2杯ずつ飲んでもらい、肌の状態を調べると、肌の水分量が約1.4倍に増えていたそうです。
それ以外にも、味噌に含まれる抗酸化作用はシミなどの皮膚の老化をストップさせるのに効果的です。
例えば、味噌が発酵する時に生まれる『メライノジン』は老化を遅らせる抗酸化物質のひとつです。
イソフラボンやサポニン、ビタミン Eも美肌の効果が期待できます。
コレステロールの上昇を抑える
コレステロールを気にしている人も多いと思います。
つい食べ過ぎてしまった時には、食後に味噌汁を飲むことで大豆に含まれる大豆油のリノール酸と大豆レシチンがコレステロールの上昇を抑える効果があると言われています。
生活習慣病の予防 塩分で高血圧が心配
味噌に含まれるメラノイジンには、糖尿病予防効果があるとされています。
糖分の吸収速度遅くして食後の血糖値の上昇を抑えてくれつつ、さらに膵臓からのインスリンの分泌を盛んにしてくれます。
日本では5人に1人が糖尿病の予備軍と言われています。
まだ、糖尿病になってない人が予防をできるのがうれしいです。
味噌汁の話題の時によく出てくるのが、味噌の塩分が高いので高血圧が心配という声です。
もちろん、塩が多く使われている味噌を多く使えば、塩分の摂りすぎで高血圧には良くないですが、味噌に含まれる大豆タンパク質に含まれるペプチドは血圧上昇ホルモン成形系に働きかけ、 高血圧予防に役立つということが証明されています。
塩分が気になる人は、ワカメや切り干し大根といったカリウムを含む具材を入れることで塩分を体の外へ排出する働きがあります。
便秘に効果的
発酵食品は腸活に効果的と書きましたが、もう少し詳しく説明します。
先ほども出てきたメラノイジンは食物繊維と似たような働きもしてくれます。
腸内の善玉菌を増やして、悪玉菌を減らしてくれることで腸内環境が良くなり、便秘の改善や病気の予防にもつながります。
ガンの予防に効果的
2003年に厚生労働省の研究班が『味噌の摂取が多いほど乳がんになりにくい』という調査結果を発表しました。
味噌汁を飲む量が1日1杯未満の人よりも。1日3杯飲む人の方が40%も乳がんの発生率が減少したそうです。
大豆に含まれるイソフラボンがエストロゲンの作用をコントロールするからと言われています。
国立がんセンター研究所の故・平山雄博士は味噌汁を飲む頻度と胃がんの死亡率の関係を調査し『毎日味噌汁を飲んでいる人は時々飲む人や飲まない人に比べて胃がんの死亡率が低い』という発表をしています。
食べていて調子がいい、美味しいと経験値から好まれてきた発酵食品ですが、体にとても良いということが調査結果などからもわかるかと思います。
健康のために味噌を取るなら麹菌が生きてるもの
ここまで味噌は健康にいいよ、味噌汁を飲んだ方がいいよという話をしてきました。
一つ注意点として、味噌だけではないですが発酵食品は菌や微生物の力を借りて食材を変化(発酵)させています。
なので、その菌や微生物も生きて体内に取り込んだ方が健康的にはいいです。
健康を意識して味噌を摂取するのであれば、信頼できない海外産の大豆や添加物てんこ盛りの味噌はなるべく選ばない方が良いのではないでしょうか。
味噌でわかりやすいものとしては、エタノールやアルコール、清酒が使われていたり加熱している場合は麹菌を殺して発酵が進まないようにしています。
長い輸送時間や長期保存しても商品の均一化を消費者から求められた部分もあるので、それをしているメーカーがすべて悪いというわけじゃないです。
ただ、今は無添加のものを選べるのであれば、そちらを選んだほうが健康的には良のではないでしょうか。
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